乳歯が抜けてからすぐに永久歯が生えてこないのはなぜ?
こんにちは。
津島市の「津島オリーブおとなこども歯科」です。
乳歯から永久歯へと生え変わっていくことは誰でも知る、私たちの身体の仕組みです。
しかし、乳歯が抜けたからといって、必ずしもすぐに永久歯が生えてこないケースもあり、「永久歯が生えてきません」とご相談いただくこともあります。
そこで今回は、乳歯から永久歯への生え変わりについて、詳しくご紹介していきます。
乳歯と永久歯の違い
個人差はありますが、生後6ヶ月ほどから下顎中切乳歯が生え、3歳頃までに乳歯が上下20本生え揃います。
一方の永久歯は、「6歳臼歯」から順に生えていきます。13~14歳ごろに親知らずを除く永久歯が28本生え揃います。
永久歯は生涯に渡り使用していく歯のため、乳歯よりも丈夫にできています。
例えば、歯の表面組織であるエナメル質は、2.0~2.5mmほどの厚みがありますが、乳歯はその半分の厚さとなります。
”乳歯のむし歯は進行が早い”ことが特徴にあげられますが、まさにこの”エナメル質の厚さ”が、乳歯のむし歯の進行を早めている要因といえるでしょう。
永久歯が生えてこない原因は?
乳歯から永久歯に生え変わる期間はおよそ3ヶ月といわれ、1年ほど永久歯萌出まで時間がかかった報告もあります。
永久歯が生えてこない理由は、大きくわけて2つになります。
1つ目は、”先天性欠如歯”です。
先天性欠如歯とは、もともと歯が存在しないことを指します。
先天性欠如歯となる原因は解明されていませんが、日本小児歯科学会の調査によると、10人に1人は永久歯に先天性欠損歯が認められ、多くの人々が悩んでいる症例でもあります。
2つ目は、乳歯の早期脱落です。
歯は空いているスペースに移動していく習性があります。
むし歯や外傷などによって早期に乳歯が抜けてしまった場合は、両隣の歯が、抜けてできたスペースに移動していき、結果的に次に生える永久歯のスペースを占領するかたちとなります。
こうなってしまうと、永久歯が正常に生えるてくることが難しくなり、歯が重なり合うように生えてきたり、生えることなく埋まったままの状態(埋伏が)でいたりする場合もあります。
出典:小 児 保 健 研 究 「小児医療従事者として知っておきたい」木本 茂成
小児歯科のトピックスⅢ.子どもにおける齲蝕以外の歯科的問題-永久歯の先天性欠如について
https://www.jschild.med-all.net/Contents/private/cx3child/2018/007702/002/0090-0097.pdf
当院の生え変わり時期の対応
まずは、レントゲン撮影を行い、”先天性欠如歯”であるのか、あるいは”埋伏歯”として顎の中で眠っているのか、診断していきます。
埋伏歯であっても、生えてくるスペースが十分に確保できている場合は、経過観察となるケースも多いでしょう。
また先天性欠如歯であった場合は、乳歯が抜けてスぺースを埋めるために、矯正治療なども検討されます。
永久歯が生えてこないことに不安をお持ちの場合は、ご相談ください。